【Wiki:IT用語】オンボード
記事制作者: Kesemory公開済み: // 更新済み:
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オンボードとは、パソコンで使用する機能が外付け機器のように拡張カードや着脱式の部品としてではなく、マザーボードなどのプリント基板へ直接実装されている状態を指す語である。
on と board を組み合わせた言葉で、”基板の上に載っている” という意味そのままで使用される。日本語では基板実装や直付けと言い換えられる。使い方はオンボード LAN、オンボードサウンド、オンボードグラフィックス、オンボードメモリのように、後ろへ機能名を付ける形が一般的である。オンボードを単体で使う場合は “その機能が最初から基板側に載っている” ことを意味する。
最も混同されやすいのがオンボードグラフィックスという呼び方である。この語が定着した当時、映像出力を担う GPU はマザーボード上のチップセットに内蔵されていた。ところが 2010 年に Intel が Core i シリーズをリリースした際、その下位モデル (Clarkdale) で GPU が CPU と同じ 1 つの部品 (パッケージ) の中へ収められ、2011 年のモデル (Sandy Bridge) では CPU と同じ 1 枚のシリコン (ダイ) の上に作り込まれている。つまり、今日のオンボードグラフィックスと呼ばれているものは、マザーボード上にある GPU ではなく、CPU の中にある内蔵 GPU (iGPU) であり、単語の意味と実装が一致していない状況になっている。
もう 1 つ注意したいのがオンボードメモリである。一部のノート PC では LPDDR5X 規格の省電力向けメモリがマザーボードへ直接はんだ付けされており、拡張用のスロットそのものが存在しない。この構成では購入後の増設も換装もできず、容量は買った時点で確定する。配線を短くできる分、動作クロックを上げやすく消費電力も抑えられるという設計上の理由はあるものの、利用者から見れば故障時やグレードアップのための利便性を失った状態である。
PC の各機能をオンボードへ実装する利点は、省スペース、部品点数の削減による低コスト、そして配線が短くなることで得られる信号品質の向上と省電力である。欠点は今まで述べた通りで、故障してもその部分だけを交換できず、後からグレードアップすることもできない。例えば、オンボード LAN のポートが経年劣化などにより使えなくなった場合、マザーボードごと交換するか、拡張カードや USB 接続の外付け製品で機能を補うことになる。
とはいえ、現在のオンボード機能は実用上ほとんど不足しない水準にある。有線 LAN は 2.5 GbE が中位モデルの標準になり、サウンドは Realtek の低ノイズでクリアな音質を狙ったコーデック (ALC1220) を載せるマザーボードがある。LAN で拡張カードを足す価値があるのは、複数ポートの増設や速度向上のために 10 GbE が必要な時である。また、サウンドで拡張カードや外付けのオーディオインターフェイスを足すのも、音質そのものを上げたい、録音で遅延を抑えたい、といった目的がはっきりしている場合に限られる。
筆者は PC のオンボード機能として、有線 LAN、サウンド、グラフィックスそれぞれを使ったことがあるが、故障で困ったことはない。一方でノート PC を選ぶ時はメモリがオンボードかどうかを必ず確認しており、増設できない前提で最初から 32 GB といった大容量を基準として選んでいる。各メーカのスペック表に “オンボード” や “はんだ付け” と書かれていれば、その容量がそのまま購入後数年間の上限になると考えたほうがよい。
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